「再エネの里」へ設置した発電所は(参照⇒「再エネの里」開所式)、地域農家とえこえね南相馬が協力し2013年8月に発電を開始しました。上部発電設備の太陽光パネルは、合計する容量が30kWあり、発電設備の影の割合を示す遮光率は36%となります。
この影の影響を受けるであろう下部農地は、地目が農地に該当しないので、農地の一時転用許可を受ける必要がありませんでした。農地の使用に当たっては、2013年の3月末に農林水産省から発信された、支柱を立てて営農を継続する太陽光設備等についての農地転用許可制度上の取り扱いについてが考慮され、営農作物が特定の作物に選定されがちです。その必要が無い「再エネの里」での営農は、地域農家の想い、収穫量だけにとらわれることなく様々な農作物を育ててみたい、上部の発電設備の架台も作物の支柱に利用するといった工夫を施したいなどを実践するチャレンジの場ともなっています。ソーラーシェアリングと特色のある地域農業を組み合わせを考えながら、手掛けた作物には、この後、小規模分散で設置を予定するソーラーシェアリングで選定される作物、大豆と南瓜もあります。実践を通じて適した農作物の栽培法を考えて行けたらと思います。
このページでは畑の植物の様子をご紹介します。右サイドバーの成長観察も一緒にご覧ください。
写真撮影日:2016年5月26日
4月下旬、今年最初に植え付けをしたのは「南瓜」でした。この南瓜は「九重栗」という品種で福島では、2つに割った切り口の見た目から「黄色いハート」の愛称で親しまれています。今回使用した苗は、JAふくしま未来様からいただいたものです。南瓜栽培は、「再エネの里」発電所の他に2015年11月に開所した「南相馬ソーラーヴィレッジ」の5ヶ所の発電所の下部農地で見ることが出来ます。
ちなみに、再エネの里発電所の奥に見えるのが東後迫発電所です。
撮影日:2015年6月24日
6月初旬にマルチ掛けをした圃場に植えた作物は、大豆、ナス、カボチャ、インゲン豆等々です。影の影響を及ぼさない場所にはスイカやメロンも植えました。収穫期には様々な収穫を楽しめそうですね。
詳細レポート⇒成長観察6月/2015年
発電設備に隣接する畑では、昨年同様に南相馬除染研究所様のご協力により栽培しているコットンを見ることが出来ます。夏には黄色や白い花を付け、秋の収穫にはフワフワっとした綿花が実ります。また、夏には向日葵も一緒に楽しめそうです。
2014年7月初旬~11月下旬までの間、発電設備下部農地で大豆を栽培しました。収穫の際、その収量について調べるため、坪刈りによる調査を実施しました。結果を見ると、福島県の平均的な圃場収量との比較から良好なことが伺えます。
福島県では、大豆の販売を自粛していますが、今回収穫した大豆は放射性物質調査規格をクリアしていまます。今回はソーラーシェアリング下部農地での生育観察や収穫量を知ることを目的として栽培しましたが、大豆を使った食品作りについても学びたいです。
「再エネの里」に看板が設置されました。発電設備手前に取り付けた看板は、ソーラーシェアリングの設置概要を記載しました。この地を訪れた方が「自分にもできる」といった気持になれるよう分かりやすく情報を盛り込みました。
再エネの里入口の看板
ソーラーシェアリング設備前の看板
「再エネの里」に取り付けた看板です。この里が春の日差しを受け和む風景写真と、風力発電の実施をイメージしました。
発電設備の看板へ以下内容が盛り込まれています。
●発電容量:30kw
太陽光パネル:250w 120枚
250wパネルサイズ:1637mm×987mm
●パネル設置高さ:2500mm
架台柱スパン:5000mm
●設置面積:540㎡
パネル総面積:194㎡(遮光率 約36%)
下部農地も中型トラクターを使って耕起しています。支柱への配慮は必要となりますが、耕起する方向を一定にするなどの工夫で農機具を使いこなすことが出来ます。
『再エネの里』としてお披露目されてから10ヵ月が経ち、南相馬除染研究所様から、コットン栽培の申し出を受けました。また、一緒に見られる赤や黄色のモコモコした花は、ケイトウです。ソーラーシェアによる農作物の栽培と合わせ見る素敵な景観を用意していただきました。
南相馬でも親しまれ多く栽培されている「大豆」を発電設備下部の圃場で栽培しました。
震災前は味噌作りが盛んだった太田地区ですが、現状、福島の大豆は販売流通が出来ません。ですが、他の野菜と同じように放射性物質の量を調べた上で規格をクリアする物の自家消費は叶います。今回は身近な農作物の「大豆」を使い発電設備の影が与える影響はどのようなものか、成長の様子を記録し収穫量について調べたいです。
詳細レポート⇒成長観察7月/2014
再エネの里の周辺田んぼに遮光幕を張って擬似ソーラーシェアリング設備を完成させました。
この擬似ソーラーシェアリングを使って、米作りについて考えます。太陽光パネルの影が与える影響はどのようなものがあるか、生育の様子を観察し、収穫量について調べました。
慶應義塾大学SFC様と野菜の元気度を調べる環境づくりをしました。
以下を設置いただきました。
・データ閲覧システム
・ライブカメラ
野菜の気持ちが分かるようにデータを活かしたいです。
「再エネの里」の1日の日当たりの様子になります。冬期は、影の影響が大きな時期であり、それを知るため、影がどのように動くか時間を決めて撮影しました。
(パネル平面遮光率は約36%になります。)
冬至に近いこの時期、ソーラーシェアリング設備としては大きな250Wの太陽光パネルを使っている経緯と相まって、影の面積が大きくなっています。ですが、圃場に作物が無く影を捉え易い時期で写真撮影を行った訳で、当然ながら夏季に向けて影の面積が減少して行きます。
太陽光パネルの影の影響を下部農地での営農を考えると、栽培する作物によりますが、日光を好む作物は影を避ける場所を選び定植する工夫を施すことや、比較的少ない日照時間で栽培が可能とされる葉物を栽培する場合に上部の発電設備から受ける雨だれを避ける場所に植えて泥跳ねに気を配るなどで、一手間かけることとなりますが、影が出来ることにより水分の蒸発を防ぎ耕作地を保湿したり、影を使って日差しをよけながら農作業出来るなど負担軽減につながることもあります。
8月に上部発電設備が完成し、その後、下部農地では農作物を育てる準備が始まりました。
11月には、南相馬の農家の皆さんにとって身近な冬野菜を選びハウスで育てた苗を定植しました。品目は、玉ねぎ、雪白体菜、ちぢみからし菜、ニンニク、ほうれん草です。
実施中のイベントは
ございません
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