~ 営農型太陽光発電所 ~
南相馬市原町区の太田地区の農家の皆さんと連携し、畑や田んぼで営農を継続しながら太陽光発電を行っています。ソーラーシェアリングによる半農半電の推進モデル地区としながら、東日本大震災の原子力事故の影響や、風評被害による農業の減収を補うことに役立てます。
2013年8月に設置した、再エネの里発電所(設備容量30kW・設置面積540㎡)は、農地の一時転用許可の不必要な雑種地を利用したパイロットプラントとなります。震災直後、再生可能エネルギーで復興促進の想いを共有した農家さんと力を合わせて、単管パイプを藤棚式に組んだ上に太陽光パネルを取り付けるといった設備を自分たちの手によって設置し、上部発電と下部農地の作物栽培の継続に努めました。その後、2015年10月に発電を開始した8カ所の発電所(総設備容量 332kW)では、8カ所へ小規模に分散させることにより、各所で農家が自己所有する農地を活かしながら挑戦できる大きさとなっています。
農地で営農を継続しながら太陽光発電設備を設置するには、架台支柱部分の農地を太陽光発電設置に関わる用地として一時転用する必要があります。えこえね南相馬では、8カ所の農地の一時転用許可を受けるために、地元の農業委員会へ2014年9月に相談を開始し、福島県内は元より全国的にも参考とする事例が少ないため、月日をかけ繰り返しの相談で資料を纏め、許可申請の形を整えました。営農を継続するには◎太陽光パネルによる遮光率が3割前後になる様に工夫された設備にする。◎下部農地の作物は、収穫量が地域平均の8割以下にならない作物で営農計画を立てる。⇒作物の光飽和点を参照しながら生育が可能な作物を選定する。などを重視しました。
東後迫発電所 遮光率30.9%で南瓜の栽培
太陽光パネル1枚:70W(280mm巾)
ソーラーシェアリングは、設備下の農作物に工夫や配慮を伴いますが、営農収入の他に発電による収入が増えます。2015年に発電開始した設備では、FITを使った売電収入を使って携わっていただいている地域の農家の皆さんに還元できる形が整いました。
この分散する発電所が地域に溶け込んで行けることを願い「南相馬ソーラーヴィレッジ」と名付けました。南相馬の持続可能な農業の形をソーラーシェアリングを通じて一緒に考えて行けたらと思います。
以下では、各発電所をご紹介いたします。各設置場所とも従来からの営農の形を活かしたソーラーシェアリングとなっています。皆さまのご参考になりましたら幸いです。
ソーラーシェアリングによる9カ所の発電所設置場所(南相馬市原町区太田地区/大甕地区)
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2015年8月4日撮影 設備完成写真。
2016年4月撮影 菜の花に囲まれた風景。
◎南側の土手にパネルを設置し発電量をUPしています。
◎単管パイプ架台。
2017年6・7月撮影 2年目の南瓜の作付
2015年8月撮影 設備完成写真
◎単管パイプ架台
2016年9月撮影 設置完成写真
◎ソーラーカルチャーのソラカルシステムで、パネルを回転させ角度を変えることで発電量をUPします。
◎単管パイプ架台
2016年6月撮影 南瓜の定植後
◎段々畑の上段と下段の間にある土手にもパネルを設置していますが、作物の栽培は行いません。
2015年10月撮影 設備完成写真
2015年8月撮影 架台設置工事
◎専用架台
2016年5月撮影 南瓜の定植後
2015年9月撮影 設備完成写真
◎単管パイプ架台
2016年7月撮影 大豆播種後
2017年8月撮影 大豆播種後
2015年5月撮影 設備完成写真
◎トラクターの転回部上方を利用してパネルを設置になっています。
(日影はハウス内が高温を防ぐ効果も有ります。)
◎専用架台。
◎ハウス内では有機農業で野菜を栽培しています。
2016年6月撮影 通年でアスパラガスの栽培
2015年11月撮影 定植後の春菊
2016年6月撮影 夏野菜の成長
その後は葉物
2017年7月撮影 出荷期のトマト
2015年9月撮影 設備完成写真
◎パネルを数カ所取り除くことで、下部の農地に光を当てます。
◎専用架台。
2018年6月撮影 ミョウガ苗の成長
2015年9月撮影 設備完成写真
◎単管パイプ架台。
2013年9月に発電を開始したソーラーシェアリングでえこえね南相馬が試作するパイロットプラントです。奥村農園とえこえね南相馬メンバーが協同し実現しました。単管パイプを藤棚式に組む架台や、太陽光パネルの設置を自分たちで手掛けることにより設置コストの削減をしました。架台は、高さやスパンを小型のトラクターが使用出来るように配慮されています。単管パイプを利用することで、容易に畑へと戻せる作りとなっていますが、支線アンカーといったワイヤー使った風対策も行っています。これまでに風や雪で設備が破損する被害は有りません。
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